神と神社


 『日本書紀』用明天皇の条に「天皇仏の法をうけたまひ、神道を尊びたまう」とあるのが神道の文献上の初見である。仏法は釈尊の教えであるのに対して、神道はただ神に対する信仰であり、神を祀る儀礼である。日本の古代信仰は神の説いた教えというものはなく、ただ神の存在を信じ、これを尊び、これを頼り、これを畏れる信仰であった。この原始神道は仏教が伝来する以前から自然発生的に信仰が形成されていた。信仰の対象である神は、最初は日月星辰・高山・巨木・巨石・猛獣・蛇などが尊ばれ、あるいは畏れられ、超自然力あるものとして神とされた。また、高貴な人・有力者も神であり、死者の霊を神として祀ったのは、その後のことと思われる。
 天という宇宙神的な性格をもつ天御中主神などは渡来人による中国の思想の影響によってできたものであろう。それらの神は『古事記』にあるだけでもおよそ百種に及び、八百万の神々といわれた。神といっても、そのものをただちに神と考え、あるいはそれらに宿る霊を考え、あるいはそれらを掌る霊など多くの神があった。それらが超自然力をもって人間に幸不幸をあたえると信じたのである。人間の霊を不滅のものと考え、人間は死後霊として神となるという考えが、家祖の霊にかけて考えられて祖先崇拝となり、氏族の祖神、氏神崇拝となり、さらに国祖の神の崇拝と発展したが、一つの神に統一されることなく多神教的であった。
神への祈願は現世の受福と除災とで、死後の世界の観念は、まだ漠然としていた。受福除災のほか卜占も神の力をかりるため、鹿の肩骨を焼くなど神の託宣を得た。祭祗の場所は、初め山地など清浄の地が選ばれた。後に祖先神の信仰が起こってから家内で、氏神信仰が起こってから神社が設けられた。神祭は、神前において神恩を謝し、所願を祈るが、はじめはおそらく各自個々に祈ったが、後に氏神に対しては氏長者が当たり、国祖に対しては天皇の親祭が、あるいは中臣・忌部氏などが世襲的に祭事を担当した。職業的な神職ができたのは後世になってからのことである。

関西地球散歩 旅の基礎知識より




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